Might and Magic VI
ジャンル RPG
文責 Broken Hope
更新日 '99 3/3
☆概要
本作品は、Heroes of Might and Magic 2のゲーム終了後の世界を舞台にしている
ため、Heroes 2をプレイしていない人には若干分かりにくい面があるかもしれません。
VIとは題されていますが、Vが相当昔に発売されたゲームであるため、実際には全
く別の作品と考えたほうがいいでしょう。従来の作品からシステム的に変更があった
のは、1)完全な3D世界が舞台となった、2)武器をもったり魔法を唱えたりするにはス
キルが必要になった、3)パーティ構成が4人までとなった、4)戦闘がリアルタイム制/
ターン制の兼用形式となった、の4点です。1)に関しては、現在の3Dアクションゲーム
と同様のもので、ダンジョンの構成も3次元的に入り組んでいます。が、オートマッパ
ーが2次元的であるためか、3次元的ではあるものの、とりあえずはなんとか平面的
に表現できる作りになっているようです。2)に関しては、最近の流行ともいうべきもの
でしょうか。職業によって学ぶことのできるスキルが制限されるものの、それ以外の制
限はありません。学びたいスキルをNPCから教わり、レベルアップ時などに手に入る
スキルポイントを各スキルに振り分けてスキルを上げます。また、スキルがある一定の
値(+その他の条件)になると、Expert、Masterと"ランク"を格上げすることもできます。
この格上げによって、スキルの効力がより強力になります。例えば、Bow Expertなら
発射スピード増加(リアルタイム戦闘時)、Bow Expertなら一回の攻撃で矢を2発発
射、という感じです。これに加えて、前述した数値も加わるので、実際には、Bow
Expert Lv 7などという風になります(スキルは%表示ではなくレベル表示)。スキルは、
武器スキル、防具スキル、魔術/法術スキル、非戦闘スキルの三分野に大別されま
すが、全部で30もの数に登るため、使えるスキルもあれば、ほとんど意味がないと思
われるスキルもあります。3)に関しては、Might and Magic book twoでは傭兵を含め
Mてパーティ人数の上限は8人までだったのですが、今回はその半分となっています。
NPCを二人まで雇うことができますが、傭兵というわけではなく旅の随伴者としての
扱いとなるため、戦闘に参加することはなく、ゲーム上でパーティのパラメータに変
化を与えたり、パーティに特殊能力を付与する(少ない日数でエリア間の移動でき
る等)だけとなっています。そのため、頼りになるのがプレイヤーキャラクタ4人のみ
となり、キャラクタ一人に何役も任せることにもなります。魔術師といえども、強制的に
最前線に立たされるわけです。とはいうものの、短剣スキルはMasterランクでダメー
ジ3倍のヒットがでるため、魔術師といえども凄まじい威力の攻撃を繰り出すことがで
きます。4)に関しては、以前SSIが発売していたThunderscape(以下TS)なる3DRPGと
幾分似通っているといえます。TSでは、キャラクタが攻撃されるまではすべてがリアル
タイムで動いているのですが、キャラクタが攻撃された途端に戦闘シーンが始まりコマ
ンド入力形式の戦闘が始まります。もし、白兵戦しかできない敵が離れた場所にいて、
かつ自分が飛び道具をもっていれば、戦闘シーンに入ること無しに一方的に飛び道
具で攻撃してダメージを与え、「戦わずして」勝つことができるというものでした(向こう
が近づいて来ない限り、こちらは攻撃を受けないわけですから戦闘シーンには入りま
せん)。これに対し、Might and Magic VIでは、その逆で、戦闘シーンを開始する権利
がプレイヤー側にあります。つまり、プレイヤーが望むときに、リアルタイム制とターン制
を選択することができるのです(リターンキーで切り換えます)。一見奇妙に見えるこの
機構は、非常にうまく働きます。例えば、このゲームでは常に、多数の敵を相手にしな
ければならないのですが、ダンジョン等で敵に囲まれたとしても、ターン制に移行すれ
ば思考時間が得られるため、よく分からない間に袋叩きにされていた、などということは
起こりにくくなります。また、こちらが圧倒的に強い場合は、ターン制戦闘に移行しなく
ても適当に敵をクリックしていれば勝敗がつき、意味のない戦闘に煩わされることがあ
りません。
このゲームの難易度ですが、世界が広く、それぞれのエリアが単純な構成とはなって
いないため、やや高くなっています。そのため、わたしはガイドブックの購入をお薦め
します。なぜか、日本の会社であるソフトバンク株式会社が「マイト&マジック 6 ザ マ
ンデート オブ ヘブン 公式ガイドブック」という書籍を出版しており、これあたりがいい
と思います。ダンジョンや街のマップの解説に加え、クエスト、巡礼の旅、馬や船のタイ
ムテーブルと、ゲームの内容はほぼ完全に網羅されているため、わたしなどは大変重
宝しています。ゲームを解きたい人だけでなく、ゲームを完全に遊び尽くしたいという人
にもお薦めできると思います。ただ、自力で解きたい方には、もちろんお薦めしません。(^^;
注:わたしはソフトバンク株式会社から一銭も受け取ってません。
くださるのなら、ありがたくいただきますけど。
■このゲームの画面写真や動作環境は、3DO社のNew World Computingのページ
にて公開されています。
☆いいねぇ
- "成長を楽しめる"
自分のもっていないスキルで、職業によって制限されていないスキルはどんど
ん習得し、鍛えることができます。鍛えた結果がはっきり現われてくるものが多
く(魔法、弓等)、爽快です。能力値はレベルが上がっても上がりませんが、ア
イテムによって上げることができます。最初は15くらいの能力値でも、80、100
くらいにすることもできますよ。経験値はクエストをしていれば勝手に溜まって
いくため、経験値かせぎはほとんどする必要がありません。
- "親切設計"
アイテム、魔法、スキルなど、ステータス画面でヘルプを開いて詳しい情報を
得ることができます。例えば、「XXXというスキルは、Masterになればどういう
効果があるか」ということまで表示してくれます。なんでもないようなことかも知
れませんが、特にスキルに関しては、パーティの各員をどう鍛えようかと考え
るときに大変重宝します。
- "戦闘方式"
リアルタイム制とターン制を兼用しなければ、ひょっとしてただのゴミゲームに
なっていたかも?・・と思われるくらい重要な役割を果たしています。必要は発
明の母といいますからね、このような戦闘方式が生まれたのは必然のなりゆき
だったのでしょう。書き忘れましたが、ターン制戦闘に移行すると移動ができな
くなります。
- "野外のモンスター"
野外にはモンスターのいる場所というのがあらかじめ決まっており、エリア(M&M
6の世界は12のエリアに分割されており、エリア間を移動するとデータが読み込まれ
ます)に存在するモンスターを全滅させると、とりあえずは全滅したままになってしまい
ます。ですが、そのエリアを離れ、他のエリアに移り、さらに別のエリアへ・・と転々とし
て、元のエリアに戻ってくると、倒したはずのモンスターが復活しているのです。一般
に、街で請け負うクエストは、そのエリア内のダンジョンにもぐることを要するものが多
いので、一度そのエリアのモンスターを倒せば、ダンジョンと街の往復時に敵の攻撃
を受けないわけです。とはいえ、その街でのクエストを全て達成して他の街へ移った
りすれば、モンスターは復活するわけですから、あるエリアを完全に安全にすることは
できません。クエストを請け負っているときには、ダンジョン探索のみに集中させつつ
も、そのエリアを完全な安全域にさせないことで、後々プレイヤーに刺激を与え続ける
という、この作り。結構なアイデアだとは思いませんか?
☆イカンなぁ
- "グラフィック"
このゲームの欠点は良くも悪くも次の2点に尽きます。
1)3D画面上でのモンスターや村人の絵が二次元的。
2)独自の3Dエンジンを用いており、ハードウェアアクセラレーションが効かず重い。
ポリゴンで描かれる地形は美しいのですが、モンスターはちょっとなあ・・。これじゃ
あDOOMのSVGA版みたいなものです。
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