TOTAL AIR WAR
ジャンル フライトシミュレータ
文責 Broken Hope
更新日 '99 3/2
☆概要
本ゲームは、すでに完全日本語版が発売されてい(たはず)るF-22 ADFなる
フライトシミュレータの続編にあたる作品です。「ADFはそれ単体でも十分遊べ
るが、実はまだ持てる可能性を十分に発揮していない。DIDはダイナミックキャ
ンペーンゲームをプレイできるような追加ディスクを将来発売するので、それを
追加することでADFの真の価値が発揮できる」というようなことになっていたので
すが、ADFの発売後、その追加ディスクTotal Air Warは、開発途中で決断があ
り、独立した一本のソフトになって売り出されることになりました。そのソフトが現
在のTAW・・・・・と思っていたのですが、実はそうではなかったようです。ADF発
売当時、すでにTAWが独立して発売されるという情報が流れていたそうなので
す(わたしは全く知りませんでした。廣田様、ご指摘本当にありがとうございまし
た)。雑誌の記事など表向きには、開発途中で云々ということにしてあるようです
が、これはつまり、商業的な戦略以外の何ものでもありません。と、DIDに腹を立
ててもADFに払ったお金は返ってこないので、ゲームの内容に話を戻しましょう。
DIDが何を考えていたにしろ、TAWは、今でも高い評価を受けてはいるものの
当時からグラフィックに関しては好評をえなかった、(と筆者は記憶しています)A
DFのグラフィックを受け継ぐことになりました。ですが、最終的には改修が加えら
れたためか、無難な仕上がりになっています。このゲームの真の売りは、わたし
の考えるところひとつしかありません。それは、「広大な領域での包括的なダイナ
ミックキャンペーンを実現している」という点にあります。このゲームをやり込んだ
人なら、このゲームのキャンペーンエンジンの素晴らしさに感動を感じるに違い
ありません。紅海周辺の諸国を巻き込んだ紛争を取り扱っているため、EF2000
のキャンペーンよりも広い領域を取り扱っていることになるのですが、EF2000の
ころより作戦機が活発に動くようになっているようで、流動的に絶えず動き続け
る仮想戦場を作り出しているといっても過言ではないでしょう。現在入手可能な
ゲームの中で、このゲームのキャンペーンエンジンに匹敵するゲームは非常に
限られており、この点においては、ベンチマークを打ち立てたソフトであるといえ
ます。
■このゲームの画面写真や動作環境は、DID社のページにて公開されています。
☆いいねぇ
- "ダイナミックキャンペーンシナリオ10本"
すごいボリュームですね。ちゃんとシナリオごとに敵機の種類が異なっており、
中立国、参戦国も異なるため臨場感抜群です。もっとも極めるにはかなりの時
間(数ヶ月?)が必要になると思いますが・・
- "軽いシミュレータ"
最近のフライトシミュレータにしては、かなりさっぱりしたグラフィックです。EF20
00のころのグラフィックエンジンを流用しているようなので、当然グラフィック的に
は最先端をいっているとはいえません。ですが、地形描画でゆとりができた分、
戦場で非常にたくさんの航空機が敵味方入り乱れて活動しても、軽く動くゲー
ムになっています(P200MMX+Monster3Dで)。HD占有容量も、最近のフライトシ
ミュレータとしてはかなりコンパクトです(76MB+スワップ100MBくらい?)。
- "ゲームとしての面白さ"
多数の航空機を相手にした空中戦、敵勢力内深く侵攻しての対地攻撃と離脱
・・・・。任務によって静と動をうまく使い分けなければなりません。隠れるべきと
きに隠れ(ステルス戦闘機ですから)、戦うべきときに戦っていくことになるわけ
で、冷や汗ものの緊張感と手に汗握る興奮が味わえるわけです。この辺をプレ
イヤーに伝えてくれるあたり、TAWのゲームとしての面白さがありますね。
LONGBOW2といい勝負かもしれません。
☆イカンなぁ
- "マニュアルが貧相"
必要最低限のことしか書いてないような気がします。マニュアルの巻末のほうに
ADFで添付していた航空機の資料を掲載するくらいなら、もっとゲームの説明
やチュートリアル的なことを書いて欲しかったですね。だいたい、ADF買った人
がTAWを買うケースが有り得るのが最初から分かっているんだから、資料部が
重複してしまうのは避けるような配慮が欲しかったです。これはもう、1998年の
「問題マニュアル オブ ザ イヤー!」です。おめでとうございます。正直な話、
ADFを買ったときは、重厚な別冊資料に喜んだものですが、まさかそれがまた
別なゲームのマニュアルについてくるとは夢にも思いませんでした。
- "音楽がADFと同じ!"
何を考えてるのでしょうか?フライトシミュレータだから音楽は使いまわしでい
いだろ、とでも思っているのでしょうか。こらこら。こっちはお金払ってるんだか
ら、ちゃんと別の商品として音楽も別に作りなさいって。殿、怠慢が過ぎますぞ?
- "致命的なバグがあった"
ということなのですが、それほど気になりませんでした。"Skip it"バグと武装バ
グは気づきましたが。"Skip it"バグというのは、AWACSが自機に、どこどこで
敵の航空機を迎撃せよ、と命令してくるのですが、数秒後に"Skip it"といって
くるのです。こんなの、プレイテストすればすぐ気づきそうなものなのに・・
- "声がきこえねえ!!!!"
正確には、通信の音声が聞き取りにくいのです。現実的にした、ということでし
ょうか?「現実的な」FALCON4.0ではかなり明瞭に聞こえるようですが。
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